前回の投稿(post)では「温泉(onsen/hot spring)」について書きましたが、「湯治」はどのように表現するかについてです。
湯治 = onsen healing / onsen nurturement
「湯治」という言葉は英語では直訳がない言葉です。ですので、今回は「onsen healing」と「onsen nurturement」に分けてみました。
Onsen healing がもたらすイメージ
onsen healing は意外にも海外では温泉の健康の効能がしられていません。ちまたには温泉蘇ソムリエと呼ばれる人達もいたり、一部の健康保険では湯治のための入浴を保険カバーします(みんな調べて!)というわけで、「医食同源」と並んで日本的な東洋医学的な考えの一部でもあります。ただし、「healing」と言うと、衰弱した人が急に命の泉に使ったとたん「ぴょーん」と跳ねとんだときのイメージにもなりかねません。そこでオススメしたいのが次の表現。
Onsen nurturement がもたらすイメージ
個人的にはonsen nurturementという表現をお勧めしたいと思います。理由は「nurture」は「育てる・育成・教育」という意味です。またこれは牧場などの人が動物に対して「nurture」などを使います。「nature」とスペルが似ていることから、なんとなく「自然」と関連する言葉である、ということがイメージ付くでしょう。現代社会では「病院」というものができてから、「病気になってから治療する」という風習が強くなってきたような気がします。「湯治」には癒しの意味合い、そして「未病」の意味合いもあります。「病気になる前に定期的に湯に浸かりに来んさい~」という意味も含めて、onsen nurturementという表現を使ってみてください。どうやら大学入試にも出るので、高校生の方も是非お使いください。
nurture
- 音節nur • ture
- 発音nə́ːrtʃər
- 大学入試レベル
動詞として「take a dip」 や 「go in」 は付けないか?
または日本語では「湯に浸かる」や「湯に入る」という表現がありますが、「浸かる」という動詞は英語で「take a dip」となります。これはプールに入るときに使う動詞で、「ちゃちゃっと入る」という意味です。もし「 I took a dip in onsen water」となる、「ちょいっと温泉に入っちまったぜぃ!」にしか聞こえません。また「I went in onsen」では、まぁ単なる「入る」という動作なので、せっかく入湯税を払ってまで入浴した温泉のありがたみが伝わりません!
伊豆と温泉
そもそも、伊東や熱海などは昔から湯治の場所として知られています。川端康成や三島由紀夫などの文豪や、空海といった日本仏教の開祖のうちの一人(もちろんライバルの最澄さんも忘れずに…)などが訪れた土地です。
他にも後に明治の志士として活躍した吉田松陰・金子重輔がペリー来航時下田から黒船に乗り込もうとしたり、国に下克上を申し立てた後、城ケ崎に島流しにあった日蓮証人も伊豆のどこかの温泉で湯治したのではないかと勝手に想像しています。(これは私個人の勝手な想像)
http://www.webkohbo.com/info3/shoin/shoin_shimoda.html
日本の特徴は?と言うと中々みんな困ってしまうことがありますが、意外にも「湯治」とは古来から日本人が行っていた習慣です。隣国中国でもお風呂を貯めて入ることはあまりないそうです。それだけ日本は湯につかることを大事にしているようです。江戸時代の江戸っ子は多い人では1日に3回~5回ぐらい銭湯に通った人もいたそうです。(杉浦日向子さん著参考)なんてこった! しかし、それだけ日本の人と入浴(&湯治)は身近なものなんでしょう。
今度外国の人に「日本人てどんな人だと思う?」と聞かれたら People who like to take a bath…. by the way, have you ever been to a onsen? などと話しを振ってみてください。
以上